【赤ひげメルマガ#38】不調を分解して考える

2024年09月07日



こんにちは。
整体師・赤ひげ塾講師の剣持 樹(ミキ)です。




私の自己紹介はコチラからご覧ください。


整体院を運営していると、日頃から多くの相談をいただくことになります。

腰痛、肩こり、膝の痛みといったお悩みはもちろん、姿勢の不良やO脚・X脚、自律神経系由来の漠然とした不調など範囲も幅広いです。

お悩みによっては、整体院ではなく病院へいくべきケースもあります。

特に医学的知識や経験が少ない時期はどうするべきか?で悩む方も多く整体スクールの受講生からも相談されることが多いです。

そこで今回のメルマガでは様々な不調をお悩み事に分解して考える手法をご紹介いたします。


●コリを分解して考える

コリとは筋肉の異常な緊張とその疲労感と捉えます。

私はお客様のコリを常に3段階で評価しており、触ったときにレベル1は「痛気持ち良い」反応。
レベル2は「くすぐったい」でありレベル3は「痛い」です。

コリを感じる部分を実際に触ってみて、どのような反応があるか調べます。

次に、どのような条件で出現するかを調べます。

起きている時、寝ている時、座っている時、立っている時、仕事中、自宅でくつろいでいる時そしてその際の姿勢の状況。

具体的に伺うことで条件が絞られてきますが、寝ても起きてもどの姿勢でも辛いという方は稀です。

コリを感じる姿勢がわかったら実際のその姿勢を分解して考えます。
肩コリや首コリの場合、頭が姿勢の重心線からずれているケースが多いです。

重心からズレた頭を支えるために首や肩の筋肉が緊張することでコリを感じているということですね。

こちらの写真がわかりやすい例となります。
見ての通り、頭が前に位置していますよね。



このようなコリを解決するためにはもちろん姿勢の改善が必要です。

下半身の筋肉の緊張から姿勢が崩れておりましたので下肢を中心にストレッチを日常的に取り入れていただければほとんどが解消いたします。

では、寝ている際のコリはどのように考えるのかというと、相談としては肩や背中のコリが多いです。

寝ている際に方が床から浮いてしまっているので重力に逆らっているため不必要な力が入っているわけですね。


●痛みを分解して考える

痛みに関してはまず痛みそのものを分類します。
ズキズキと痛む場合はケガや炎症による痛みであることが多いので直接痛む部位を触ることは避けましょう。
適応となるのはズーンと鈍く感じる痛みです。

原因に心当たりがあって、明らかにケガであろう原因(ぶつけた・捻った)であれば整形外科で画像診断が大切です。

鈍い痛みの場合は筋肉由来の痛みであることがほとんどです。

次に痛みがどのタイミングで出るのかを把握します。

動かすと痛むのか。
何もしなくても痛むのか。

何もしなくても痛いのであれば、これも整形外科などで調べてもらうべき案件です。

筋肉由来の不調であれば、該当する筋肉を動かすことで痛みが発生します。
内臓や疾患由来の痛みの場合なにをしなくてもずっと痛むケースがあるので病院を受診していないのであれば受診を促します。

また、痛む部位を直接触ったときの反応も大切な情報です。
押して痛みがある場合はその部位に炎症があるかもしれません。
もしも押して痛みがでないのであれば、ほかの部位の影響で痛みがでているということになります。

その場合は、痛む部位と関連がある別の部位に原因があるということになります。こうなれば痛む場所を直接アプローチしても効果が期待できません。


●シビレを分解して考える

シビレは特定の動きをした場合に出るケースと常に出続けるケースで分けることができます。

特定の動きであれば、その動きに関連した筋肉の緊張によって神経が圧迫されることでシビレが起こります。

常に出続けている場合は、ヘルニアなどで神経が直接圧迫されていることでシビレが出ている可能性が高いので整形外科などで画像診断をするといいですね。

シビレの部位がはっきりわかっている場合はスマホで「デルマトーム」と検索してみてください。
手や足のどこにどの神経が分布しているのかわかります。
それによってどこの神経が圧迫されているのかを把握することができますよ。


●運動制限を分解して考える

関節に運動制限がある場合は、関節そのものに原因があるケースと上下の筋肉に原因があるケースに分解できます。

関節そのものに原因がある場合は、いかなる条件でも運動制限(曲げる・伸ばすができない状態)が解消することはありません。

物理的に関節が変形していれば動かすことができませんからね。

筋肉由来の運動制限であれば入浴時は動かしやすい、血行が良い状況であれば関節可動域が広がるなどの変化が見られます。

しかし、これについても整形外科などでの画像診断を受けていないのであればタイミングを見て受診することをお勧めいたします。

なぜかといえば、初期の軽微な関節変形が隠れているケースがあるからです。
早めに変形を発見することで、必要以上に関節がすり減ることを避けることができるからです。


いかがでしたでしょうか。                         
整体院において相談の多い不調を中心に解説してみました。

まだまだ不調のケースはありますし、人によって様々なお悩みがありますのでこれが全てではありません。

人の体とは不思議なことが起こるもので、時折学校やセミナーで学んだこととは違った事象が起こるケースもあります。

大切なことは、お客様の体をしっかり観察し、丁寧なヒアリングで情報を収集しつつ「お客様にとって最適な提案」をすることと私は考えます。

20年ほど臨床の現場におりますが、毎回の臨床で気づきがあります。
全てはお客様の笑顔の為に日々精進しております。
そんなやりがいのある整体師という世界の思考術を少し紹介させていただきました。

少し難しい言い回しもあったかもしれません。
わかりにくい部分がありましたら是非ご質問ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。



整体師・赤ひげ塾講師の剣持 樹(ミキ)でした。



次回は山本 恵子さんです。

お楽しみに。


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