
臨床例7 一回の施術で治ってしまった肋間神経痛
患者さんは20代の女性。主訴は肋間神経痛
平成19年11月に内科を受診し、「肋間神経痛」と診断されたそうです。しかしその後、一向に良くならず、背中から胸にかけて周囲を回るようなピリピリとした痛みが、瞬間的、ときには持続的に起こりました。
最近では少し重い荷物なども持てなくなり、息をするだけで痛みが出て、仕事にも行けなくなってしまったとのことです。 痛みは1日たりとも治まることなく、当然、来院された日にも痛みがあり、施術前に痛みの確認をすると「今、現在も痛んでいる」との返事でした。
肋間神経痛とは、胸髄から出て胸腹部に分布する感覚神経である肋間神経痛が、脊髄から出るところで骨に触れたりして圧迫を受けて痛みが起こるとされていますが、実際には、はっきりした原因はわかっていません。はっきりした原因が解明されていない症状なだけに、手技療法で治せるかどうかは、やってみないとわからないということになります。 しかし、ここがほかの療法とバランス活性療法との最大の違い。この療法では施術前に「改善できるのかどうか」をチェックすることが可能なのです。
それがバランス活性療法の「バランスチェック」という筋反射を利用した検査法です。さっそく、バランスチェックを行なうと、ずばり「改善可能」と出ました。 ちなみに、わたしはこのバランス活性療法を使いだす前にすでに施療院をやっており(主にカイロプラクティック)、解剖学や診断学などは当然勉強してきました。実際の施療にあたる際も、問診は最重視しております。それだけに見たてには充分に時間をかけ、あらゆる角度から見るようにしてきました。そのような西洋医学的観点で見てきたわたしでしたが、バランスチェックを行なうと納得せざるをえない明確な答えが返ってくるのです。
施術では、まず最初に仙腸関節の調整を行ないました。その後、基本療法を軸に、必要と思われる手技をところどころに入れていきます。最初は少し緊張していた彼女の表情も、施術が進むほどに柔らかなものへと変わっていき、まったく痛みの伴わない手技に安心感を持っていただけたようです。 施術終了後にもう一度痛みの確認を行なったところ、「あれ?まったく痛くない!!息を吸っても吐いても何ともない!!」とのことでした。痛みが取れた喜びよりも、あれ?なんで?というような顔をされていたのが印象的。二ヵ月近く苦しんでいた痛みが、小一時間程でまったくなくなってしまったことに納得できないのかもしれません。
その後、1週間後に来院していただいて経過を診たところ、順調で痛みの再発もないので、肋間神経痛の施療に関してはこれで終了となりました。ただ、そのあとも猫背を治して欲しいとの依頼があり、新たな施療がスタートしています。
愛知県「ART BODY WORK」
山口 真五(やまぐち しんご)