【赤ひげメルマガ#46】セラピストとしての心の持ち方、心構え



みなさん、こんにちは。
フランスのニースでセラピストとして活動している夜久学滋です。


 

私の自己紹介はコチラからご覧ください。


今回は、私が大切にしている、セラピストとしての心の持ち方、心構えについてお話ししたいと思います。

私たちの仕事は、ただ単に技術を提供するだけではなく、心と身体のケアを通じて、クライアントの毎日の生活が明るく前向きなものになるよう、サポートしていくことだと考えています。



とはいえ、人生、色々ありますから、気持ちがブレることもあるし、自信が揺らぐこともあると思います。

仕事に行きたくない時もあれば、目の前のお客様に優しくなれない時もあると思います。
そんな、セラピストとしての自分を見失いそうになった時の参考になれば幸いです。


1、一期一会の精神を大切に

私のセラピストとしての最初のキャリアは、エステティシャンです。

鍼灸師の学校を、国家試験合格と共に、無事に卒業した私は、卒業旅行で指を折り、決まっていた就職がなくなりました。
そんな時、母が始めた、エステティックサロンの片隅で、キャリアをスタートさせました。

最初は、本当に大変でした。

今のように、男性が美容に関わることが少なかった時代で、とにかくお客様もいなくて、友人たちに頭を下げて、身体を貸してもらって、技術を磨きました。

そんな経験があるので、クライアントがいるっていうことが、今でも、ありがたくて仕方ないです。

私たちの前に現れるクライアントは、同じような痛みや症状を持っていても、それぞれが全く異なる人生を歩んできた唯一無二の存在です。

そして、自分がセラピストとして、そのクライアントに出会った以上、どのような形であれ、提供できる何かがあると、信じるようにしています。

この「出会い」という奇跡に感謝し、それぞれのセッションをかけがえのないものと考えること。

施術を行なう前に、ルーティーンを持っていらっしゃる方も多いと思います。
私もルーティーンに、そういった、目の前のクライアントへの感謝をするルーティーンを組み込むようにしています




2、クライアントの求めていることがなんなのかを意識して、できることをする

時に、自分の自信が揺らいでいる時などは、なにかしらを追加したくなってしまいます。

喜んでもらいたい、よりも、褒めてもらいたい、感謝されたいっていう、自分自身の承認欲求を満たしたくなってしまう時は、誰にでもあると思います。

そんな時は、できないことに手を伸ばさないように心がけています。

これもできるよ、あれもできるよ、なんて、自分にできることをひけらかす前に、目の前のクライアントが求めていることは、なんなのか??の方が、よほど大切です。

私の場合は、広告やSNSを見て、もしくは、口コミをきっかけに来てくれるクライアントがほとんどです。

自分が発信している以上のことを追加するよりも、発信していることを期待して来てくださっている目の前のクライアントに、そのままサービスを提供することを心がけています。

余計なものは加えないで、自分にとって自信のあるサービスを、そのまま提供すること。

それが、自分サービスや、セラピストとしての自分の一貫性につながっていくと考えているからです。

もちろん、できることを少しづつでも増やしていくために、学び続ける意識も大切です。

ですが、なにより大切なのは、自信を持って「これならできる」と言える技術を持っていることです。

中途半端な知識や技術をたくさん持つよりも、一つでも確実に自分のものと言える技術を習得し、それをクライアントのために最大限に活用することが、プロフェッショナルだと、私は思っています。


3、ホリスティックに考える

クライアントの痛みや、症状を、ホリスティック(全体的)に捉えることは、セラピストとして、とても大切な視点です。

つまり、痛みを痛みとしてだけでなく、生活習慣や、ストレス、仕事など、色々な視点から考える。と、いうことです。

自分に自信を無くしそうな時は、このホリスティックな視点を、さらに拡大して、セラピストとしての自分を見るようにしています。

小さなきっかけが、誰かの人生を大きく変えることがあるように、
目の前のクライアントにとって、自分のできることはとても小さいものかもしれないけれど、何かしらのきっかけには、なるかもしれないってこと。

今の自分の状況は、確かに悪いかもしれないけれど、それは、これからもっと良くなっていくための、準備段階に過ぎないってこと。

人生も、運も、流れているのだから、自分がより良い流れに乗っていくために、今できることに集中すること。

自分の人生をホリスティックに拡大して見てみると、今だけでなく、これからにも目を向けることができます。

でも、拡大しすぎには、気をつけてください。
宇宙規模で自分という、小さな人間の営みを考えると、全てがどうでも良くなってしまったりもするので、「自分が幸せに生きていくために」っていう前提は忘れないようにしてください。


4、クライアントのポジティブな面に目をむける

どんな人であれ、必ず、誰かに愛されてこの世に生まれて来ています。

どんな人生であれ、人は、感動を体験するために、この世に生まれて来ています。

今、目の前にいるクライアントが、セラピストという自分にとって、どうであれ、その人には、必ず、ポジティブな部分があります。

伝える、伝えないは、置いておいて、その部分に対して目を向けることが大切です。

目の前のクライアントのポジティブな部分を見つけようとすることで、自然に、自分自身にポジティブなエネルギーが出てきます。

そして、自分で自分のポジティブな面を探すよりも、目の前の人のポジティブな面を探す方が、実は、簡単です。

そしてそれは、自分のポジティブな面に目を向けることにも繋がります。

クライアントの小さな改善や成功を一緒に喜んだり、褒めたりすることは、クライアントの自信にも繋がりますし、より良い治療にも繋がります。

それが、自分自身へのポジティブな結果につながっていくと、私は考えています。




5、やるだけやって、後悔しない

治療家や、セラピストという仕事は、自分で結果を実感できることが少ない職業です。

クライアントの痛みは、クライアントにしか感じられませんし、自分の仕事が、そのあと、クライアントにどんなポジティブな変化を与えたのかを、知る機会もそんなに多くありません。

あんまりにも、結果を意識し過ぎると、自己嫌悪におちることもあるでしょう。

自分の治療では結果が出なかったとしても、そのあとの何かにつながることで、そのクライアントの人生がより良くなることもあります。

例えば、手術が絶対に必要な足の病気を抱えていた男の子が、父親に連れられて私の施術を受けに来ました。
ここの施術では完治は難しいことをお伝えした上で、治療をおこなった結果、その子は手術を受けることを決意してくれました。

今では、その足の病気も完治しています。

これは、私の体験談ですが、セラピストという仕事が、技術を提供するだけじゃないってことの、良い例えなのではないかと思います。

実質、私は、その男の子の病気に対しては、なんにもできてないのですから。

セラピストという仕事だけでなく、自分の仕事が、どのような形で結果を出すのかが、わからないことも多いです。

でも、結局、その時に自分のできることを精一杯やることしか、私たちにはできません。
その時にできる、精一杯をやるだけやって、あとは、思い悩まず、後悔しない。

考え過ぎないってことは、セラピストという仕事を続ける上で、大切な心構えだと、私は思います。

この世で一番大切な、自分自身を大切にすること。

自分はよくやってる。って、自分自身がちゃんと認めてあげること。

セラピストを続けていく中で、そういった、自己ケアの時間を大切にしてもらいたいです。

セラピスト、治療家という仕事は、本当に素晴らしい仕事です。
私自身、この仕事が大好きですし、もっと、みんなもセラピストをすればいいと思っています。

セラピストとしての心の持ち方や心構えは、技術的なスキルだけでなく、私たちの内面の強さや優しさ、人間性を反映します。

一期一会の精神を大切にし、できることに専念し、ホリスティックな視点を持ち、ポジティブな面に焦点を当て、最善を尽くし後悔しないという原則は、セラピストとしてだけでなく、人としても成長するための考え方でもあると思います。

仕事とは、自分の人生を輝かせるためのものです。
セラピストという仕事を通じて、自分の最高の人生を作り上げていきましょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
書いて欲しいテーマのリクエストなどいただけると、とても嬉しいです。
これからも、どうぞよろしくお願いします。

夜久学滋でした♪。




次回は吉田 ともこさんです。

お楽しみに。




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